ノッラ・スタショーン&トーシュ・トーン (Norra Station & Tors Torn)

2010年3月中旬にストックホルム市は、長きにわたって議論されてきた最も大規模な市中心部開発プロジェクトの一つを始動させることを決定した。今回開発が決定したエリアとは、ヴァーサスタン北端の市境界線付近に位置する、北の駅を意味するノッラ・スタショーンというエリアだ。

近年のストックホルムの他の大規模建設プロジェクトに比べて、このプロジェクトは市の中心部からほど近い魅力あるエリアの開発であるため、市は通常ストックホルムで建設されている一般的な高さのビルよりも高いビルを建てることを決心した。したがって、将来ノッラ・スタショーンの新たなランドマークとなるのは、隣接してそびえ立つ2棟の140m級高層ビル、トーシュ・トーンだ。

ストックホルムには現在、ほんのわずかな高層ビルしかない。従来より一般に、高層ビルはストックホルムのスカイラインを担うに足らぬという意見が強く、優雅に聳え立つ教会の塔こそこの街の美しいスカイラインを担うにふさわしい、と考えられてきた。とはいえ、昨今のストックホルム市の人口増加に伴い、本格的な高層ビル建設を求める声も徐々に高まってきた。他のいずれの開発プロジェクトではなく、このノッラ・スタショーン地区開発およびトーシュ・トーン建設構想こそが、高層ビル建設待望の声が高まる世論をもっとも鮮やかに象徴している。

トーシュ・トーン建設に反対の声が多く挙がったのは、この街においては全く驚くべきことではなかった。むしろ、ストックホルムに高層ビルを建てるこの傾向に賛同する声が多く聞かれたことこそ、この街が変わりゆく様を象徴している。事実、この賛成の世論を背景に、市の政治家たちは自信満々にトーシュ・トーンを決して140m以下のビルにはしない、ということを声高に叫んできた。とはいえ、街の景観を壊さぬように慎重に進めなければならないため、ビルの最終的なデザインは今のところ決定しておらず、市はこの件について継続して調査を進めると明言している。

ノッラ・スタショーンは今後約10年をかけて開発される予定で、完成後、ここには2300世帯が暮らし、10000人が働くことになる。現在このエリアは幹線道路やハイウェイ、線路が走り、産業ビルが立ち並ぶだけの閑散とした場所だが、ここを走るハイウェイや線路が地下に移設されれば、このエリアはドラスティックに変貌を遂げるだろう。ノッラ・スタショーンの北側には国際的にも称賛を集める医療施設カロリーンスカ(Karolinska)病院/研究所があるため、カロリーンスカと市の中心部をスムーズにつなぎ、研究やビジネスのみにとどまらず医療全般の活動を活発化させるという役割が、ノッラ・スタショーンには望まれている。
(Text/Photo: Martin Ekelin / Graphic: Stadsbyggnadskontoret Stockholm)

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