ループトループ・ロッカーズ (Looptroop Rockers)

ループトループ・ロッカーズをスウェーデンで唯一のヒップホップグループと称する人もいるかもしれない。20年の長いキャリアを考えると、それもうなずける。スウェーデンのヒップホップの先駆け的な存在であり、ツアー歴もその他のヒップホップ・グループよりもより経験値の高いものである。また英語詞も手伝ってか、海外での売り上げ幅も大きい。毎回新作のリリースの度に、インターナショナル・ツアーを行い、そのためかスウェーデンのヒップホップ・ユニットとしては最も知名度の高いグループである。

知名度が高いことが必ずしもベストとは限らないが、スウェーデン国内の批評家たちは間違いなく、スウェーデンのアンダーグラウンドのヒップホップを支えてきたパイオニアとしてループトループ・ロッカーズの名を挙げるであろう。またヒップホップの命であるビートや歌詞、ラップテクニックなど作品のクオリティ面でも、スウェーデンのヒップホップ・コミュニティの評判の向上に貢献してきた。他方で、スウェードナビでも以前に紹介した同僚ラテン・キングス(The Latin Kings)にも言えることであるが、彼らのスタイルもまた典型的なスウェーデンのものとは言えない。彼らもまた、ニューヨークのアンダーグラウンドのヒップホップの分野では名のあるギャング・スター(Gang Starr)ア・トライブ・コールド・クエスト(A Tribe Called Quest)パブリック・エネミー(Public Enemy)のサウンドの影響を受けているからである。

ループトループ・ロッカーズの歴史は、ストックホルムの西にある静かな水辺の町、そしてグラフィティのアーティストを多く生む町としても知られるヴェステロース(Västerås)で20 年前に始まった。この町で、友人同士であったエンビー(Embee)とプロモー(Promoe)はミックステープの作成に打ち込んでいた。そこに、コスミック(Cosmic)とスプリーム(Supreme)が加わり現在の形が出来上がった。その後まもなく、レコードレーベル「David vs Goliath」を立ち上げ、グループ名をループトループ(Looptroop)とし、1999 年にはデビューアルバム「Modern Day City Symphony」をリリースした。2002 年にはセカンドの「The Struggle Continues」、2005 年のサード「Fort Europa」をリリースし、この3枚目のアルバムでブレイクを果たした。

ブレイク後の過酷なツアー・スケジュールもあってか、メンバーのコスミックはグループを脱退した。その後の活動はフロントマンであるプロモーによる日本人DJ、DJ Mitsuとのコラボ(Youtubeの映像はこちら)に代表されるようなサイド・プロジェクトやソロ・アルバムが主となった。コスミックがグループを離れたことで、バンドは2008 年にループトループ・ロッカーズ(Looptroop Rockers)へと改名をし、4枚目のアルバム「Good Things」がリリースされた。

4枚目のアルバムリリース後には目立った活動はなく、バンド解散の噂も囁かれた。しかしその噂を打ち砕くかのように、去年になって新作「Professional Dreamers」を発表した(Youtubeの映像はこちら)。このアルバムには夢見る人たちの人生の応援歌的なポジティブなメッセージが込められている。コスミックが再びグループに戻り、また4人編成となったループトループ・ロッカーズの新作は今までの作品のクオリティを上回る出来である。これまでの20年、4人は夢の中を歩んできたわけだが、これから先の20年も、彼らはドリーマーズであり続けることだろう。
(Text: Gustaf Kjellin)

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