イノベーター(Innovator)

“人と環境に優しい、シンプルかつ合理的なデザイン”
イノベーターがブランドとして標榜するこの言葉こそ、いわゆる“北欧デザイン”に対して多くの日本人が持つポジティブなイメージを端的に表している。そして、そのようなミニマリスティックなデザインこそ、どちらかというと控えめなスウェーデン人が世界に向かって自国を「デザイン大国」と声を大にして誇れるひとつの所以なのだ。

1971年、ヨハン・ホルト(Johan Huldt)が作り出した一脚のチェア「スタンス(stuns)」がイノベーターの歴史の幕を開ける。シンプルかつ合理的で環境に優しく、何よりも遊び心を忘れない。現在にも脈々と受け継がれているこのコンセプトから完成したスタンスは瞬く間にヒットし、40年が経とうとしている今なお現役として店頭に並んでいる。その後に発表されたソファ「バルーフ(balluff)」とチェア「キャプテン(Captain)」はそのデザインやクオリティだけでなく、ネジの1本からメインテナンスが可能という合理性もあり、こちらも多くのユーザーが現在でも愛用している。1980年代に発表されたチェア「スティム(stim)」に至っては“どれだけ少ないパーツで作ることができるか”というコンセプトでつくられたプロダクトで、これこそまさにイノベーターの真骨頂と言えよう(言うまでもなくこちらもロング・ヒット)。90年代にはこのコンセプトを継承し、無駄のない機能的なダイニング空間のためのチェア「“スティム”ダイニング・チェア(“stim”dining chair)」を発表。また、環境問題に目が向けられつつあったこの時期に、それに呼応するように、自然や植物の色をイメージした優しいテイストの新色「ベジタブルトーン」を発表。バイオテクノロジー、フィットネス、ベジタリアンといった言葉が頻繁に使われ、それらの存在が顕在化し始めた社会に彼らの哲学が浸透するのはもはや時間の問題だった。

そして2009年夏、イノベーターが日本限定で満を持して発表したファニチャー・シリーズ「innovator X(タイムズ)」。ここに至っても彼らが標榜しているのは、多少の言葉の違いこそあれど1971年にヨハン・ホルトが語ったものに一貫して他ならない。名前にもある「X(タイムズ)」が物語るように、まさに「○○○ × △△△」といった複数の機能を兼ね揃えたファニチャーだ。タイムズとは、これまでにも徹底されてきた“無駄を省く”という理念が“2つのものを1つにする”という考え方にその在り方を変え、徹底的に無駄を排したプロダクト・シリーズなのだ。たとえば「ロー・テーブル×マガジン・ラック」「姿見×フック」「ワークテーブル×ダイニングテーブル」といった具合に7つのプロダクト全てが複数の機能を兼備している。そして日本限定ということもあり日本人デザイナーを起用しているのだが、そこにはスウェーデン“らしい”ミニマリスティックな一面がはっきりと見て取れる。

セレクトショップや大手デパート等での取扱いの他、北参道にあるショールームでも購入可能だ。2009年10月には公式オンラインショップがオープンする。
(Text: Martin Ekelin、Toru Nagata)

住所: 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-50-11 明星ビル1F
営業時間: 11:00~19:00
定休日: 年中無休(年末年始は休業)
最寄駅: 東京メトロ副都心線「北参道駅」、JR「原宿駅」
電話: 03-3475-0241

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