ヘルト・オフ(Helt Off)

ずいぶん前から、スウェーデン最南部のスコーネ(Skåne)地方ではレゲエが盛り上がっている。スウェーデン語の中で最も特徴的なこの地方の方言スコンスカ(Skånska)がレゲエの歌い方に合うとか、南部の暖かい気候(十分寒いが、、、)が軽いノリにあっているとかいろいろ言われているが、少なくともスウェーデン人からすれば、他のスウェーデンの方言よりスコンスカの方がジャマイカ英語の発音に近く聞こえるのは確かだ。

スコーネ地方最大の都市、すなわちスウェーデン第3の都市マルメは、今やスウェーデンの“レゲエの首都”とも言える街だ。マルメからやって来るレゲエ・バンドは多く、中でも最近話題になっているのが、このヘルト・オフだ。このグループにはメインで活動するメンバーが3人いて、中でも一般的に広く知られているのが ティンバクトゥー(Timbuktu)というアーティスト名のラッパー、ジェイソン・ディアキテだ。ティンバクトゥーのソロ・アルバムをプロデュースしているモンス・アスプルンド(Måns Asplund)とイェンス・レッシュ(Jens Resch)を加えた3人がヘルト・オフの通常メンバーだが、ライブでは他のミュージシャンらと共にプレイすることが多い。

スウェーデンの他のレゲエ・バンドに比べてヘルト・オフは、70年代のボブ・マーリーのようなルーツ・レゲエのサウンドを得意としている。スウェーデンのレゲエ界ではゴッド・ファーザー的存在の ペプス・ペーション(Peps Persson)からの影響を色濃く感じるサウンドだ。彼らはたった2枚のアルバムしかリリースしていないにも関わらず、レゲエやヒップホップのジャンルで中核を担うほどの重要なバンドにまで登り詰めている。

ファーストアルバム「Helt Off」が2004年に、セカンドアルバム「I huset」が2006年にリリースされ、そしてサードアルバムは現在(2009年11月)のところリリースが延期されていて、ファンらはひたむきにその日を待ち望んでいる。
全2作は彼らのオリジナル・ソングと既存の曲を新たに解釈しなおしたミックスから構成されている。たとえばセカンドアルバム「I Huset」では、ザ・アイタルズ(The Itals)の「Truth must reveal」を「Säg som de ä」という曲名に、そしてトゥーツ・アンド・ザ・メイタルズ(Toots And The Maytals)の「One Eyed Enos」を「KO」としてリリースしている。

彼らヘルト・オフのメインのメンバー3人は、それぞれのキャリアでもバリバリ活動中だ。前述の通り、ティンバクトゥーはソロのラッパーとして成功の道を歩んでいる。アーティスト名M.O.N.S.のモンス・アスプルンドはモーテン・サクワンダ(Mårten Sakwanda)と共にプロデューサー・デュオのブレイクメカニクス(Breakmecanix)として、これまでに プロモエ(Promoe)ループトループ(Looptroop)、そして スポットラナズ(Spotrunnaz)といったスウェーデンでもっとも有名なヒップホップ・アーティストらの曲をプロデュースしている。イェンス・レッシュは、アーティスト名 コーズ(Chords)として、これまでに批評家から絶賛されたアルバムをリリースしている。
(Text: Gustaf Kjellin)

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