ファースト・エイド・キット (First Aid Kit)

ファースト・エイド・キットは、ストックホルム南部の郊外エーンフェーデに育ったクラーラ(Klara)とヨハンナ(Johanna)のセーデルベリ姉妹(Söderberg)による10代のデュオだ。姉妹は幼い頃からいつも一緒に歌っていて、クラーラが曲を作りヨハンナがそれに合わせてハモる、というのがとても自然なことだった。

姉妹の弟が通っていた幼稚園に、偶然にもフィーヴァー・レイのヴォーカリスト、カーリン・ドレーイェー・アンデションの子供も通っていた、という縁でカーリンがファースト・エイド・キットの曲を耳にするようになり、やがてカーリン自身のレコード会社「Rabid Records」との契約にサインすることとなった。それから間もなく、ユーチューブで公開されたフリート・フォクシーズ(Fleet Foxes)の曲「Tiger Mountain Song」のカバーが大ヒットとなり、その結果、有名レコード会社「Wichita」との契約に至った。

ファースト・エイド・キットのヴォーカルが織り成す豊かなハーモニーを耳にすれば、この姉妹が共に歌うことはあたかも運命であったかのように感じるだろう。彼女たちが歌う余分なものを削ぎ落したフォークポップは、きわめてナチュラルで、自信に満ち溢れた雰囲気が漂っている。たいていギターだけだったり、ピアノやオルガンに静かなドラムといったシンプルな伴奏で歌うのだが、それらのサウンドがヴォーカルの前景になることは決してなく、彼女たちの声からフォーカスを奪ってしまうこともない。他のスタイルで彼女たちをプロデュースする理由が見当たらないくらいだ。

ファースト・エイド・キットはボブ・ディラン(Bob Dylan)やジョアンナ・ニューサム(Joanna Newsom)ブライト・アイズ(Bright Eyes)といった主にアメリカのアーティストからインスパイアされていて、実際に彼女たちのサウンドはアメリカン・トラッドの匂いを漂わせている。そして、姉妹は自らの音楽が実際に古めかしく聞こえると自ら語っている。にも関わらず、この若い姉妹は、ちょっと古めかしいサウンドでモダンな世界を克服しようとしている。
(Text: Martin Ekelin)

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