フィーヴァー・レイ (Fever Ray)

カーリン・ドレーイェー・アンデション(Karin Dreijer Andersson)は、ヨーテボリのインディーズ・バンド「ハニー・イズ・クール(Honey Is Cool)」のヴォーカリストとしてそのキャリアをスタートさせた。彼女とドラマーの ホーカン・ヘルストロム(Håkan Hellström)の2人はハニー・イズ・クール解散後も行動を共にし、成功へとひた走ることとなる。

1999年にカーリンの弟、オーロフ・ドレーイェー(Olof Dreijer)が加わって「ザ・ナイフ(The Knife)」をスタートさせたことが、彼らにとっては成功へのターニング・ポイントとなった。ザ・ナイフは、瞬く間に耳の肥えたリスナーたちを満足させ、インディーズ・ファンだとかテクノ・マニアといったジャンルの垣根をあっさりと打ち破って多くの若者を虜にした。それと同時に、決してメディアに登場しないスタンスを固持し続けている。アルバム「Silent Shout」をリリースした2007年には、グラミス賞(Grammis・アメリカでのグラミーと同等の権威ある賞だ)7部門受賞という快挙を成し遂げた。もちろんこの際にもそのスタンスを崩すことなく、ビデオ映像で“奇抜な”挨拶を敢行(興味のある方はこちらから≫)。この時点で彼らは、スウェーデンで最もクールなバンドとなった。

残念ながら現在は、ザ・ナイフはその活動を休止しており、再開は未定とのことだ。しかし、カーリンのソロ・プロジェクト「フィーヴァー・レイ」で彼女の現在の作品に触れることができる。ダークで浮遊感のある退廃的な雰囲気、そしてそのサウンドの文句なしのクオリティの高さは、彼らのファンであれば、耳にすると同時にザ・ナイフと共通するものが根底に流れていることを理解するだろう。両者の作品においては、カーリンの個性あふれるヴォーカルがきわめて大きな存在感を見せている。最近のスウェーデンの女性ヴォーカリストの傾向と同様に、英語が母国語の並み居る有名シンガーらを模倣するのではなく自らの個性的な英語の発音や発声を前面に出すことで、彼女はファンの心をつかんだ。その表情豊かな彼女のヴォイスは、自ら所属するバンド、ザ・ナイフだけでなく、ロイクソップ(Röyksopp)デウス(dEUS)など多くのバンドが彼女を迎えんと引く手数多だ。

フィーヴァー・レイのアルバムはすでにデジタル・フォーマットでリリースされており、3月下旬にCDがリリース予定だ(2009年3月現在)。彼女は、その期待値の高さを裏切ることは決してないだろう。そして、年末に発表されるトップ10ミュージシャンには、必ずその名をランクインさせることだろう。
(Text: Martin Ekelin / Photo: Elin Berge, Annika Aschberg)

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