ドゥンイェン(Dungen)

ドゥンイェンの音楽を耳にする時、おそらくスウェーデン人の多くは本能的に60~70年代のスウェーデン音楽を思い浮かべるだろう。そこには、当時のサイケデリック・ロックやプログレッシブ・ロック、フォークミュージックからの影響が確かにあり、ボー・ハンソン(Bo Hansson)ヨイェ・ワデーニウス(Jojje Wadenius)のような素晴らしいミュージシャンたちのサウンドが息づいているのを感じ取ることができるだろう。しかし、彼らのサウンドが60~70年代当時のマインドや雰囲気を喚起させるため古い音楽をコピーしているだけのバンドだと思われがちだが、実際は決してそうではない。

ドゥンイェンのクリエイティブの中心を担うグスタヴ・エイステス(Gustav Ejstes)は、彼らがレトロな音楽を作る意図など持ち合わせていないことを明確にしている。この主張は、彼が音楽を始めた頃はヒップホップ・チューンを作成していたこと、そして、今なお定期的にヒップホップのDJをやり続けているというちょっと意外な事実によっても端的に裏付けられている。

マルチプレイヤーのグスタヴがドゥンイェンのプロジェクトをスタートさせた1998年、彼はすべての楽曲と歌詞を手掛ける他、レコーディングの際もたいていの楽器は自らプレイしていた。ライブでは4人バンドで彼の音楽を演奏していたのだが、年を経るごとに、有能なギタリストでもあるレイネ・フィスケ(Reine Fiske)をはじめ、バンドのメンバーたちも曲づくりに重要な役割を担うようになっていく。

確かにスタジオレコーディングされた彼らのサウンドは見事な音楽的情景を想起させるが、曲全体の動的な特性やドゥンイェンの並はずれた音楽的才能を理解するにはライブコンサートに勝るものはない。ライブにおいて彼らは、キュートなポップと熱狂的なロック・グルーヴを境界線を縫うようにのびのびとプレイしている。

全曲スウェーデン語にもかかわらず、ドゥンイェンはスウェーデン国内よりも国外、とりわけアメリカで人気があるようだ。その理由として、ギターバンドの多くがインディーズロック/ポップをプレイするスウェーデンの音楽シーンにおいて、彼らが非常に稀有な存在であることが大きいのではないだろうか。近年、スウェーデンにおけるドゥンイェンに対する従来のいささかクールであった評価が変わりつつある。最新リリースの「4」は国内での評価が高く、ドゥンイェンの音楽がまだまだ進化の途上にあるというのが一般的な意見のようだ。
(Text: Martin Ekelin / Photo: Karl Max)

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