デニム・ディーモン (Denim Demon)

デニム・ディーモンのストーリーは、アントン(Anton)とオスカル(Oskar)のオルソン兄弟(Olsson)がそろってストックホルムのショップ“JC”で働くことになったところから始まる。ここで彼らは、今ブレイク中のジーンズ・ブランド「チープ・マンデー(Cheap Monday)」を立ち上げたオルヤン・アンデション(Örjan Andersson)と出会い、そしてオルヤンから強い影響を受けて、彼らもオリジナルのジーンズ・ブランドを立ち上げる決心を固めたのだ。紆余曲折を経た2008年、彼ら自身のウォッシュド・ジーンズの本格的なコレクションを発表した。

デニム・ディーモンはファミリー企業で、アントンとオスカル以外にも弟のパトリク(Patrik)と父親のシュッルオーケ(Kjell-Åke)が経営に関わっている。彼らは北欧の土着の民族“サーミ”をルーツに持ち、家族は今でも、かつてのサーミ民族のホームであるスウェーデン北部のノッルランド地方(Norrland)に居を構えている。このサーミの伝統が、デニム・ディーモンを語る上では不可欠で、サーミ民族を象徴する旗に使われている赤、青、黄、緑の4色を多用するなど、いずれのウェアにもそのアイデンティティが色濃く反映されている。トナカイの角をボタンにしたり、トナカイの皮をジーンズに張るなど、サーミ独自の手工芸からの影響も強い。デニム・ディーモンが、サーミ独自の技術やアイデンティティを彼らの製品で表現することで、彼らの文化自体にもスポットを当てている、という観点から、サーミ人たちはこのブランドにきわめて好意的だ。

2009年のオータム・コレクションは、彼らが提唱する“プロジェクト・ウェア・アウト(Project Wear Outs)”に基づいたものだ。それまでのデニム・ディーモンのジーンズはすべて、オルソン兄弟が実際に使用し、色落ちさせたりなじませたりしたものを“元”にしていたのだが、今回のプロジェクトでは、ノンウォッシュのジーンズをノッルランド在住のサーミ人7名に6ヶ月間着用させたものをモデルとした。その間、彼ら7名のサーミ人たちはトナカイの大群を放牧し、スノーモービルを駆り、クロスカントリー・スキーに汗を流し、スウェーデン国産のかぎタバコ“スヌース”を嗜み、おまけにトナカイの屠殺までも行っている。

これらのジーンズは、今や世界のジーンズ工場であるは岡山県で製作されており、実際に着用したサーミ人の名前をそのままジーンズのモデル名にしている。

2009年のスプリング・コレクションは公式WEBサイトでチェックできる。
“プロジェクト・ウェア・アウト”の詳細は彼らのブログにて。
(Text:Gustaf Kjellin)

公式サイトはこちら ≫

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