カッレ・レアル (Calle Real)

ラテン・フレーバーのスウェディッシュ・ミュージックといえば、リッル・リンドフォッシュ(Lill Lindfors)の1966年のLP「Du är den ende」や、クープ(Koop)やストックホルム・サイクロ(Stockholm Cyclo)などに代表される近年のヌー・ジャズのシーン以外に、日本で名の通ったものは極めて数少ない。実際のところ、スウェーデン人にとってもクオリティの高いラテン・スウェディッシュ・ミュージックに触れる機会はかなり限られている。しかし近年、ラテン・ミュージック・シーンにおいて高い評価を受けているバンドがスウェーデンにも1組ある。

そのバンドの名はカッレ・レアル。ストックホルムを拠点に活動する、“ティンバ”をプレイする12人組のグループだ。ティンバとは、激しいパーカッションと単調なメロディが特徴の、90年代にサルサから派生したアフロ・キューバン・ミュージックだ。パトリシオ・ソブラド(Patricio Sobrado)がこのバンドを結成した1998年からずっとティンバだったわけではなく、むしろ当時はブエナ・ヴィスタ・ソーシャル・クラブ(Buena Vista Social Club)のような伝統的なキューバン・スタイルの音楽をプレイしていた。彼らはカリブ海から遥か離れたの極寒の国スウェーデンのバンドでありながら、その熱く、じっとりとしたサウンドは本場のものを何ら変わるところはない(むしろ本場の音にしか聞こえないほどだ)。その理由としては、バンドのメンバーの数人がキューバで数年にわたって生活していたり、パーカッショニストのリカルド・ヴァルデス(Rikard Valdés)が伝説的なピアニストのベボ・ヴァルデス(Bebo Valdés)の息子であることも挙げられる。

2003年にカッレ・レアルはキューバの音楽フェスティバルに招待され、このことが彼らの国際的なキャリアのスタートとなった。この3年後、ヒットシングル「Princesa」を擁する1stアルバム「Con Fuerza」がブレイク。「Con Fuerza」は、それまでスウェーデンからリリースされたどんな音楽とも完全に異なるサウンドで、その反響はすさまじく、ラテン・グラミーアワードの「2006年 ベスト・サルサアルバム」にヨーロッパから唯一ノミネートされたほどだ。さらにこのアルバムは、強い影響力を持ったフランスのwebサイト、フィエスタ・クバナ(Fiesta Cubana)でベストアルバムに選ばれ、ついでにバンドとしても2006年の最優秀新人賞を受賞したのだ。

世界的に注目を浴び、フランスやヴェネズエラ、エチオピアなどで行なったコンサートでは多大なる賞讃を浴びていたにも関わらず、当時はまだスウェーデン国内での彼らの認知度は決して高いとは言えなかった。しかし、2007年に国営放送のプライムタイム・トークショー「Stina」にゲスト出演してからというもの、すっかり状況は一変し、国内での認知度も高まってきた。2009年には2ndアルバム「Me lo gané」をリリース。この作品は、ティンバレスやコンガなどのパーカッションやブラス、ベース等の音が混然一体となった爆発的なソング・コレクションで、寒さに打ちひしがれたスウェーデン人の凍てついたハートを溶解し、スウェーデンの暗い冬に光る汗飛び散るトロピカルな空気をもたらす力を秘めている。
(Text: Gustaf Kjellin)

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