ボブ・ホゥンド(Bob Hund)

バンド活動をスタートしたまさにその時から、ボブ・ホゥンドはスウェーデンのミュージックシーンで異彩を放ち続けている。バンドが結成された90年代、スウェーデンのインディーズバンドの多くは、イギリスのインディーズギターバンドに強く影響されていた。英語で歌い、クールに振舞い、インディーズバンドらしいファッションに身を包み、ライブではさして動きまわらず自分の靴を凝視したままというのがお決まりだった。しかし、その当時からボブ・ホゥンドはそんなトレンドとは一線を画した位置に立っていた。

なによりもまず、彼らの音楽はきわめてユニークだ。当時それについてはヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)クラフトワーク(Kraftwerk)キャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)、そしてスウェディッシュ・パンクとのミックスなどと言われていたが、なにから影響されたにせよ彼らの音楽は、それまで耳にしたことがないような独特なサウンドだった。フロントマンのトーマス・エーベリ(Thomas Öberg)が歌う、スウェーデン人ですら聞き取りにくいスコーネ方言で綴られた個性的な歌詞は、彼らの音楽性にとってもきわめて重要なファクターだ。このヴォーカルは、一風変わった、時に奇妙ですらあるボブ・ホゥンドの音楽の中できわめて重要な一部分を担っていると言っても過言ではない。ボブ・ホゥンドの音楽はきわめて個性的だが、彼らの成功の最も大きな要因は、まぎれもなくそのライヴ・パフォーマンスだろう。ハードなパンク的セグメントと静かなパート、そして静寂が突発的に入れ替わる曲のビルドアップが、ライヴパフォーマンスをきわめてダイナミックなものにしている。さらには、カリスマ性溢れるヴォーカルのエーベリのステージアクト -スピーカーを駆け上ったり飛び降りたり、はたまた交通整理のカラーコーンをマイクがわりに使ったり- も見ごたえがある

大きな成功を収めた90年代が過ぎ、2000年代の最初の10年間は彼らの活動は沈静化し、メンバーによってはモチベーションの低下を公言する者もあった。途中で一度、ベリマン・ロック(Bergman Rock)というバンド名で、同じメンバーらでいくつかの英語で歌ったアルバムをリリースしている。2009年、ボブ・ホゥンドはアルバム「Folkmusik för folk som inte kan bete sig som folk」をリリースし、待望の復活を遂げている。このアルバムで彼らは、以前と同じように一風変わったテリトリーへと冒険に漕ぎ出している。
(Text: Martin Ekelin Photo: Thomas Arnbo)

公式サイトはこちら ≫
Myspace内の公式サイトはこちら ≫

Tags: , , ,

Leave a comment

Your email address will not be published. Required fields are marked *