ベーア・セーンフェルド (Bea Szenfeld)

ベーア・セーンフェルドは今や、批評家たちをして今日のスウェーデンで最も影響力を持ったファッションデザイナーの一人と言わしめる存在だ。かつてないほど創造性のレベルが上がり、競争が熾烈を極める今日のスウェーデンのファッション業界において、この地位は容易に得られるものではない。1972年生まれのセーンフェルドは、ストックホルムにあるデザイン専門学校のベックマンスを卒業するや否や、業界で注目される存在となった。卒業プロジェクトでは様々な賞を受賞しており、中にはH&Mの奨学金までも勝ち得ている。卒業の一年後に彼女は、優勝者がステラ・マッカートニー(Stella McCartney)のもとで3ヶ月間インターンシップとして働けるという「Fashion House」というリアリティ番組兼コンテストに参加し、見事に優勝を勝ち得る。ところが、なんと3ヶ月間の予定であったインターンシップが8ヶ月に延長されたのだ。この延長が彼女のデザイナーとしてのレベルの高さを証明するに十分な証拠であることは言うまでもない。

それから数年にわたり、セーンフェルドはプラスティックやパスタ、紙、古布等のマテリアルを駆使して、次々に思いもよらぬ作品を展示会等で発表していく。これらの作品によって、彼女が独創的なファッションデザイナーであるという評判はさらに広がることとなる。彼女の作品は、時には極端にも思える遊び心や非伝統的な布地の選択、そしてディテールに対する敏感さが特徴的だ。マテリアルの使い方や彼女独自のアートのセンスから、その作品はファッションアイテムでありながら立体的な彫刻作品のような印象をも持ち合わせている。セーンフェルドはいろいろな有名ブランドでも仕事をしており、そのクライアントにはトミー・ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)や、意外にもサンリオが含まれている(なんとハローキティのデザインも手がけているのだ!)。今では自身のファッション・ハウス「Bea Szenfeld」を経営する彼女は、メンズ・レディースそれぞれのコレクションを製作している。近年では、彼女は様々な会社の仕事を手がけながら、毎年のように実験的で大規模なコレクションをブランドからリリースしている。

ここスコーグスシュルコゴーデンにおいて、人が自然に還るという概念が最も象徴されているのが「ミンネスルンデン(Minneslunden)」である。これは“記念樹の木立”のような意味で、エントランスに入ってすぐ右の高台にある100×200メートルの木立である。ここは日本で言う合祀墓のような一帯で、個別に埋葬されているわけではないため、誰の遺灰がどこにあるかを指し示すような看板はない。この木立を囲うように歩道道があり、一番高いところに献花台がある。木立への立入は禁止。あくまで、ここは死んだ人が眠る場所なのだ。

アイスランド出身のアーティスト、ビョーク(Björk)が2010年に「Polar Music Prize」を受賞した際、ストックホルムで行われた授賞式でビョークがセーンフェルドの作品を身につけたことは、セーンフェルドの独創性や彼女のスウェーデン前衛ファッション業界における地位を確固たるものとした。ビョークが身に纏っていたのは「Sur la plage」コレクションの作品で、紙で立体的に作られたハンドメイドのスーツ・ジャケットだ。このコレクションは、深海や神秘的な水の霊魂、あるいは海のニンフ等からインスパイアされて完成したコレクションだ。全12作品あり、すべて彼女自身が紙を駆使して手作りした作品たちだ。
(Text : Gustaf Kjellin)

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